主演・監督クリント・イーストウッド |
俺は迷っていた,人生の締めくくり方を。
その少年は知らなかった,人生の始め方を。
(公式サイトのポスターより抜粋)
を観たんですよ。
初めに。感想をつらつらと全部書いてしまおうとも思いましたが,このブログではあくまで紹介に留めたいと思います。というのも,これを機にこの映画に触れてみよう思った人に失礼であるから。
もしかしたらそれは自分自身かもしれない。忘れっぽいからね。
グラン・トリノと聞いて真っ先に車の名前だとわかる人は居ただろうか。実際,自分は知らなかった。さらに車の形まで浮かんでしまうのは立派なヴィンテージカーマニアを自負していいと思う。
この物語はそんなグラン・トリノを保有している老人ウォルターと,その隣に越してきた移民少年タオのお話だ。
いくら金を積まれても売れないもの。現在の自分にとっては曽祖母から譲り受けた上田紬と,祖母から貰った半纏がそれにあたるだろうか。あっ,USBメモリーもかな。
ともあれ,そういったものを持っている人は幸運なのかもしれない。やはりこの映画においてもグラン・トリノは象徴であり,絆であり,救いにもなっているのだ。
制作者がコメンタリーでグラン・トリノに助演男優賞をあげてもいいといったのは言い過ぎでないだろう。
まぁその辺の話や背景はコメンタリーでたっぷり補完されているので,これ以上先は興味があればといったところ。
正直,グラン・トリノのコメンタリーは中身が濃く,それだけでも値段以上の価値はあると思う。
肝心のストーリー展開だが,所々非常に生々しい描写がある(グロくはない)。
キーパーソンの少年タオの親戚にひどく柄の悪い不良がいるのだが,そいつとその仲間のつるみ方,ちょっかいのかけ方,そして悪事への誘いが非常に生々しく描かれているのだ。もし自分が同じ立場だったら……と思わず想像してしまう程。
そしてその生々しさがウォルターを引き立て,登場人物に葛藤を生み出し,クライマックスへと繋がる。
そしてクライマックスは,ひどく虚しいものだ。強く握った拳の力が緩んでしまうような。
まぁこんな感じです。紹介ということでベタ褒めしましたが……まぁそれだけじゃあamazonレビューでも観てろって話ですよね。突っ込んだ感想を言えば,点けっぱなしでもそこそこ大丈夫な作りをしてます。
二時間もモニタ眺めっぱなしなんて疲れるし時間泥棒だろ!って思う方はパソコン開いて横目に観ていて良いと思いますよ。
やっぱりこの映画のキモは生々しさとクライマックスにあり,登場人物たちの細かな機微は映画が気に入った後,腰を据えてじっくりと観ればいい。
少なくとも,ゴールデンタイムのチャンネルを点けっぱなしにするよりはずっと有用な時間になるでしょうな。
グラン・トリノを観たことがある方。その解釈はちげーよちゃんと観ろって思った方はコメントして下さるとうれしいです。推薦してくれた三毛猫さんにはこの場で感謝を。
今回はそんな感じで,よろしくお願いします。|・ω・)ノ
どうもこんにちは。
返信削除ブログ開設おめでとうございます。そして不肖三毛猫の紹介に『騙されたつもりになって』くれてありがとう。
イーストウッド監督特有の淡々としていて克明な描写のせいで悪役の『人間らしさ』が強調されていて、見る人を選ぶんじゃないかなと推薦を少し躊躇いました。金返せって言われたらどうしようw
私はイーストウッド監督の目線が大好きで、こっそり目指していたりします。悪を悪ではなく人間の営みとして描いている。大抵の悪役って、観客へのホラ憎め憎めアピールが鼻についちゃうんで。
ラストは、誰も不幸になっていないと気付いた時、解放されます。これ実はハッピーエンドなんです(熱弁)。
……長々と失礼しましたw
>三毛猫さん
削除さっそくコメントをしてくれてありがとうございます!やっぱりグラン・トリノの影の進行役はあの不良達ですよね。確かに純粋な悪党かと言われれば,あまりにも人間臭い。特に白人不良や黒人不良との絡みをみるに,根深い人種問題が横たわっているように見えます。まぁだからといって親戚の家にマシンガンばら撒いて……なのは日本じゃ考えられない点ではあります。(アメリカの格安のスラム街ホテルに宿泊すると結構な確率で発砲音を聞けるそうですけど)
ともあれ,あのラストシーンはほんと,これしかないよなぁと打ちのめされた感がありますね。ほんと。
他にも推薦された映画を見たいのですが,陽の当たる教室はないっぽいです。オーケストラ!在庫上はあるらしいので探し中(・・;