ハンターに襲いかかる,かつてない暴力。
モンスターハンターは好きです。中でもティガレックスって良いモンスターだよね。
今回はそのティガレックスさんにさらに突っ込んで理解してみようという話。
この先は考察好きな人向けな内容なので注意。
ティガレックス。
原始的な風貌を残す飛竜。性格は至って凶暴で、発達した四肢を使っての突進,強力な爪と顎の一撃,どれも恐ろしい威力で注意が必要。獲物を求めて広い範囲を移動し,雪山でもポポを襲う姿が目撃されている。
以上,MONSTER HUNTER PORTABLE 2nd『ティガレックスの書』より引用。
ティガレックスとはおおまかにはそんな設定の飛竜だ。ハンター大全が手元にある人にとっては,没モンスター『ワイバーンレックス』のリメイクだということがわかるだろう。
モンスターとしては格闘戦が主体であり,火を吐いたり砂に潜ったりマグマに潜行したりしない,わりとリアル重視なデザインと言えるだろう。そしてゲーム中の強さも相まって,創作方面の皆さんにとっても人気が高いように思える。
しかし自分にはティガレックスに対して長年のいくつかの疑問がある。そのいくつかの“ミスマッチ”を列挙してみよう。
ティガレックスの謎 その一 『何故雪山に生息しているのか』
普通にプレイしていも一番目につくのがこれだろう。ゲーム中でも説明されるが,ティガレックスは比較的砂漠に適応した飛竜である。灼熱の砂漠と極寒の雪山。この大きく違った環境とティガレックスを繋ぐものはなんなのだろうか。
ティガレックスの謎 その二 『発見時期』
ティガレックスは体の構造やその習性などからかなり原始的な飛竜とされる。おそらくその発生はリオレウスやディアブロスなどよりも早く,長いこと大陸に生息しているモンスターだろう。
ここで問題のなのが,ティガレックスの発見は比較的最近の話であり,それまでは既に絶滅が有力視されていたという点だ。これだけならシーラカンスやカブトガニのように僻地で細々と生き永らえていたと考えられる。
しかし実際の所,ティガレックスの暴れっぷりったらない。ティガレックスの出現は生態に対して非常に強いインパクトを持ち,雪山においてもティガレックスが現れるとドドブランゴやドスギアノスといったモンスターは場所を譲ってしまうようだ。
凶暴性はいわずもがな。多分他のモンスターとガチで地上戦になった場合,ティガレックスが十中八九勝つだろう。
それほどの強さと影響力を持ったティガレックスの発見が何故遅れたのか。彼らは一体どこに居たのか。これがティガレックスの謎の二番目だ。
ティガレックスの謎 その三 『大移動』
三番目の謎は,一番目の謎と重複してくる話だ。ティガレックスは砂漠と雪山を往復する。ハンター大全Gにて公開されている大陸地図によると,これはほとんど大陸縦断に近く,リオレウスでも骨が折れそうな大移動だ。これを飛行を苦手するティガレックスが慣行しているのは,個人的には上記のその一,その二を越える謎である。
飛行が苦手であるのに,何故こうも大移動するのか?(さすがにあの防寒能力で雪山に一年中籠るには厳しいだろう)どうやって大移動しているのか?
これが三つ目の謎だ。
※まぁ雪山と砂漠はどこも離れているのか言えばそうでもない。タクラマカン砂漠とヒマラヤ山脈は直線距離でいえば1000kmぐらいだ。これは九州-東北間ぐらいの距離なので,渡り鳥の大移動に比べればそれほどいったところ。そもそも山の寒さは緯度よりも標高の方が重要なので雪山=北というのは安直過ぎるし,砂漠=赤道付近だったらゴビやタクラマカンはどうなるんだという話になってくる。なので実は砂漠と雪山が近いという考えもありかもしれない。
さて。
これらの三つの謎に対し,ゲームの仕様だからと断ずるのはあまりにも早計だ。
ここで一つ,『ヒストリエ』という漫画のあるセリフを紹介したい。
『書物から得た知識の多くがほったらかしにしておけばいつまでも”他人”なのだが,第三者にわかりやすく紹介してみせる事で初めて”身内”になってゆく』
知識を知識のままとしない。これは自分の考察のスタンスでもある。
大事なのは考察の“結果”ではなく,考察を経ることでより“世界観を身近なものにしていく”ことだ。そもそも某フロンティアとは違い,MHP系列は各モンスターの生態の作り込みにかなり力注いでいる。
こうしたティガレックスの謎を追及していくことは,ティガレックスをより身近で深みのある生物として描く一助となるだろう。
と,ティガレックスの記事に一つ纏めようとするとべらぼうに長くなるので,今回は問題提起で終了です。
自分の考えるティガレックスの生態考察はまた次回に続きます。ごめんに|・ω・)ノ
お邪魔致します。
返信削除お馴染みのテルミドールで御座います。
ここでは何とお呼びすればよいか分かりませんが、取り敢えず貴方もブログを開設したということで、本当はすぐにでも飛んできたかったのですが、折り悪く調子を崩しておりまして、ケータイ以外を触れない状態でした。
さて。凸するのにこれ以上に私向けの記事があろうか……という気持ちです。私なりの考察をいくつか。
ティガレックスの特徴と言えば、その極端な生息環境が第一に挙げられるのは分かる話ですね。
しかし、私は本来の生息地というのは「砂漠」だと思っています。理由としては……「雪山より砂漠のほうがティガレックスの体色ならば視認しにくい」からです。
いくら、強い種といっても、雪山に対してあそこまで目立つ体色では不都合も多いでしょう。
第三の「大移動」の疑問と絡めれば、ティガレックスは極めてイビルジョーと似た生態を持っているのだと言えるでしょう。つまり、餌を求めて常に大陸を転々としているという。
或いは、常に移動する中で稀に出会った異性と繁殖するのかも知れません。イビルジョーには翼が無いので、移動は両の脚のみとなります。
しかし、ティガレックスには退化しつつあるとはいえ、翼があります。餌を求めつつ高い山によじ登り、滑空しながら次の餌場を目指す。その地域の生物を食い尽くすことは、結果的に自分たちの為にはならないということを、彼らも本能的に分かっているのじゃあないでしょうか?
そして、雪山や砂漠を移動するのは、そこに肉食の大型飛竜が少ないからではないでしょうか? 砂漠にはディアブロスやモノブロスといった飛竜が居ますが、反面ディアブロスは草食飛竜ですし、モノブロスも嘴のような口の形状から、ティガレックスとは餌場が競合しないように思えます。
雪山も、ドスギアノス、ドドブランゴのようなモンスターは、ティガレックスと競合する力を持ち得ませんし、フルフルとはその捕食形態から競合関係にないと言えます。
反面、丘陵地帯にはリオレウスやリオレイアが、密林地帯にはリオレイアやナルガクルガ。湿地帯には若いグラビモス。火山には成熟したグラビモスやリオレウスが餌場を有しています。それらと競合することは、ティガレックスにしても難しいことではありませんが、消費するエネルギーとしては合理的ではない。
故に、ニッチな餌場を選んだのではないでしょうか。
さて、第二の懸案ですが。
少し話が逸れてスターウォーズの話へ。
クローン戦争のさなか、分離主義者の英雄というか……凄い人に「グリーヴァス」という男が居ます。昆虫系エイリアンですが、事故によってサイボーグ化し、精神にメスを入れられてシスの傀儡となります。
戦争初期、彼の被害者は大変多かったのですが、彼の存在は戦争が少し進まなければ発覚しませんでした。何故か。
彼の被害者が悉く殺害され。「発見報告」が遅れた為です。
話を戻しましょう。
古来からティガレックスに遭遇する人間はあったのでしょう。しかし、その多く、特に王立古生物書士隊や黎明期のハンターなどが遭遇し、多くが命を落としたとすれば、学術的論拠に寄った発見報告が挙がらないのも自然な話ではないでしょうか?
或いは、幾つかの不確かな情報だけが寄せられたが故に、長らくワイバーンレックスと言う不明瞭な存在として語り継がれていたのかもしれません。
と、今回は賓客ですので、取り敢えず今回はこの辺にしておきます。次回を期待しております。
テルミドールさん お越しいただき光栄です。呼び方はまぁなんでも良いんですか,Ashでもハイ中でもどちらでも良いですよ。
削除そして早速,また濃い議論を持ちこんでくれましたね(*´`)
詳しいことは今回の更新と,また次回の更新で明らかにしたいと思っておるのですが,とりあえず気になったところにコメントしていきたいです。
>>本来の生息地というのは「砂漠」
僕もそう思いますね。やはりティガレックスのメインは砂漠。あの複雑な体の突起は水分蒸発を防ぐことに一役買っていそうであります。他の飛竜と比べても,劣悪な足場に対する踏破力はかなり高いでしょう。
>>ティガレックスは極めてイビルジョーと似た生態
この辺は素直には賛同しかねますなぁ。今回の更新のこともありますが……というより,次回のキモである部分がこれですね。
しかしニッチな餌場を選んでいるというのは諸手をあげて賛同ですよ。ヽ(´ー`)ノ
生存戦略においては,真っ向から相手を叩き潰す必要なんてないですから。地上戦が得意なティガにわざわざ付き合う必要もなし,空から,砂から,マグマからいたぶってやれば……ちゅー話ですね。
>>彼の被害者が悉く殺害され。「発見報告」が遅れた為です。
この辺は完全に頭から抜けてましたorz 確かに,人間だったらティガレックスに見つかった時点で高確率で食われるだろうし,仮りに発見できても,現実における“雪男”のような感じになるでしょう。所謂UMAって奴ですね。実際ハンター大全においても没モンスターはUMAとして扱われていましたし。
こんな感じで。やはり考察はお互いの自説をぶつけてこそですね。上手いこと切磋琢磨して,よりリアリティのある生態を与えてあげたいものです。